調査概要

概 要

調査目的子宮頸がんは、定期的ながん検診やワクチン接種により予防できる唯一のがんであり、社会的関心が強まっています。
本調査では、一般女性よりも医学知識や関心が高いと考えられる医療従事者の皆さまを対象としております。医療に従事される方々は、がん検診やワクチン接種の重要性に関する知識の普及と啓発のために重要な役割が期待されております。その意識の現状と課題を明らかにすることで今後の啓発活動について貴重な知見が得られるものと考え、本調査を実施いたしました。
調査地域全国(47都道府県)
調査対象者医療従事者の18~39歳の日本人女性
有効回答数2,724
調査方法WEB調査
調査実施時期2013年3月28日(木)~4月3日(水)
監  修入江琢也先生(渋谷文化村通りレディスクリニック 院長)
調査主体公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
調査協力団体四病院団体協議会(四病協)
社団法人 全日本病院協会
一般社団法人 日本病院会
公益社団法人 日本精神科病院協会
社団法人 日本医療法人協会

調査対象者の背景

居住地域

居住地域

職  種

職種

年  代

年代

未 既 婚

未既婚

調査結果

子宮がんの認知・子宮頚がん急増の認知

子宮がん(子宮体がん・子宮頸がん)の認知

Q.子宮にできるがんには「子宮体(たい)がん」と「子宮頸(けい)がん」があることを知っていますか。

子宮がん(子宮体がん・子宮頸がん)の認知
≪子宮体がん≫
子宮体部(子宮の内膜部分)のがんで、主にホルモンバランス異常が原因となり、閉経後に多く発症します。
≪子宮頸がん≫
子宮頸部(子宮の入口)のがんで、性交渉によるヒトパピローマウィルス(HPV)といわれるウィルス感染が原因で、近年若い人の罹患が増えています。

子宮頸がん・急増の認知

Q.子宮頸がんは20歳~30歳代の若い人に急増していることを知っていますか。

子宮頸がん・急増の認知

子宮頚がん罹病の可能性・その原因の認知

子宮頸がん・罹病の認知

Q.子宮頸がんは誰にでもかかる可能性のある病気であることを知っていますか。

子宮頸がん・罹病の認知
HPVはありふれたウイルスで、性交経験がある女性の80%以上が生涯の中で感染を経験するといわれています。 特に若い年代の陽性率が高くなってきています。

子宮頸がん・原因(ウイルス)の認知

Q.子宮頸がんはウイルス(HPV:ヒトパピローマウィルス)が原因であることを知っていますか。

子宮頸がん・原因(ウイルス)の認知
HPVが子宮頸部に感染してもほとんどの場合は免疫力によって体からウィルスが自然に排除されますが、極まれに長期間にわたって感染が続き、がんを発症することがあります。

子宮頚がんの予防・早期発見の認知

子宮頸がん・予防の認知

Q.子宮頸がんは予防できるがんであることを知っていますか。

子宮頸がん・予防の認知
定期的ながん検診や予防ワクチンを接種することで予防できます。

子宮頸がん・早期発見の認知

Q.定期的に子宮頸がん検診を受け、がんになる前の状態で発見することで100%治療できることを知っていますか。

子宮頸がん・早期発見の認知

子宮頚がん検診の有無・検診結果

子宮頸がん検診の有無

Q.今までに子宮頸がん検診を受けたことがありますか。

子宮頸がん検診の有無
子宮頸がん検診で実施する細胞診は、子宮の入口の表面細胞をやわらかいヘラやブラシなどで軽くこすり取って調べます。 痛みはほとんどなく、短時間で済みます。

子宮頸がん・検診の結果

Q.検診結果を教えてください。

「子宮頸がん検診を受けた」と回答した1,772人(65.1%)の方に聞きました。

子宮頸がん・検診の結果

「異常あり」の内訳

「異常あり」の内訳
細胞診の結果「異常あり」や「要再検査」などと判定された場合は、病気の疑いがあるという意味です。確定診断のためには二次検診として精密検査(コルポスコープ診、組織診など)を受ける必要があります。

検診に行かない理由・検診の意向

子宮頸がん検診に行かない理由

Q.子宮頸がん検診に行かない理由を教えてください。

「子宮頸がん検診を受けたことがない」と回答した952人(34.9%)の方に聞きました。

子宮頸がん検診に行かない理由
≪検診費用について≫
子宮頸がん検診の受診方法にはいくつかあり、金額も異なります。
20歳以上の女性が住民検診で子宮頸がん検診を受ける場合、 保健所や自治体が指定した医療機関を受診する必要があります。多くの自治体が費用の一部もしくは全額※を補助しています。
職場の健康診断を利用する場合でも無料または低価格で受診できる場合があります。
また、住民検診や健康診断とは別に、お近くの産婦人科でも検診を受けることができます。ただし、この場合は費用補助がないため全額自己負担となり割高です。不正出血などの症状がある場合や精密検査のための受診は保険診療となります。

※各自治体によって対象年齢や費用の負担額は異なります。詳しくは、 お近くの自治体等にお問い合わせください。

子宮頸がん検診の意向

Q.子宮頸がん検診を今後(も)受けようと思いますか。

子宮頸がん検診の意向

尖圭コンジローマの認知・原因(ウィルス)の認知

尖圭コンジローマの認知

Q.尖圭(せんけい)コンジローマという病気を知っていますか。

尖圭コンジローマの認知

尖圭コンジローマ・原因(ウイルス)の認知

Q.尖圭コンジローマもウイルス(HPV)が原因であることを知っていますか。

尖圭コンジローマ・原因(ウイルス)の認知
≪尖圭コンジローマとは≫
性器や肛門の周辺に、ニワトリのトサカ状(カリフラワー状)のイボができる病気です。性交渉やその類似行為によるHPV感染が主な原因となります。HPVは接触により、皮膚や粘膜の傷口からも感染します。

子宮頚がん予防ワクチンの認知と種類・予防接種の有無

子宮頸がん・予防接種の認知

Q.子宮頸がんの予防ワクチンがあり、多くの国々では予防接種がすでに始まっていることを知っていますか。

子宮頸がん・予防接種の認知
予防ワクチンは、日本を含む120か国以上の国で既に承認され接種されています。日本、米国、オーストラリアなど50か国以上では、思春期の女子に対する接種費用は公費でまかなわれています。

子宮頸がん・予防接種の有無

Q.今までに子宮頸がんの予防ワクチンを接種したことがありますか。

子宮頸がん・予防接種の有無
子宮頸がん予防ワクチンは2種類あります。
子宮頸がんの主な原因とされるHPV16型と18型の2つの型に予防効果があるワクチンと、16型、18型に加え尖圭コンジローマなどの原因とされる6型、11型の4つの型に予防効果があるワクチンです。

子宮頚がん予防接種の意向・予防効果の認知

子宮頸がん・予防接種の意向

Q.子宮頸がんの予防ワクチンを接種したいと思いますか。

「子宮頸がんの予防ワクチンを接種したことがない」と回答した2,580人(94.7%)の方に聞きました。

子宮頸がん・予防接種の意向

子宮頸がん・予防効果の認知

Q.子宮頸がん予防ワクチンの予防効果が100%ではないことを知っていますか。

子宮頸がん・予防効果の認知
子宮頸がん予防ワクチンによってHPV感染を防ぎ、子宮頸がんとその前がん病変、尖圭コンジローマなどの発症予防が期待できます。
しかし、既に16型、18型(6型、11型)に感染している場合やワクチンが有効ではないHPV型に対しては予防効果がありません。

まとめ

調査結果のまとめ

  1. 子宮頸がんに対する認知率に関する設問のほとんどに、8~9割の人が「知っている」「少し知っている」と回答しており、疾患に対する認知率は高いという結果となっています。
  2. 検診を「今後受診したい」「今後も継続して受診したい」と思っている人は93%を占めました。このように受診意向が高く、その重要性も理解している一方で、実際の検診受診率や予防ワクチン接種率は低い結果となっています。
  3. 医療従事者であっても44.5%が婦人科に行く事をためらって検診に行っていなかったことが判明しました。この結果から、一般女性では更に多くの人が婦人科受診への抵抗が強いことが推察されます。
  4. 子宮頸がんは、定期検診により前がん病変を発見し早期に治療することができます。また、子宮頸がんの原因であるHPVに感染する前に予防ワクチンを接種することで予防することもできます。
  5. 社会において高い信頼を得ている医療従事者の皆さまから、検診対象者の一般女性に対し、定期検診受診を推奨して頂くことは非常に大きな影響力があると考えられます。皆さまが自ら検診を受診し、同じ女性のリーダーとして重要な役割を担って頂くことにより、子宮頸がんの発症を減少させられる可能性があると期待しております。

本調査結果は、今後、
学会発表や学術論文として
公表を予定しております。
ご協力を頂きまして
誠にありがとうございました。