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N-SAS関連文献

N-SAS BC01

CMF群

Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group. Systemic treatment of early breast cancer by hormonal, cyctotoxic, or immune therapy. Lancet 339; 71, 1992.

(要旨)Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)は1985年以前に開始された乳癌術後薬物療法に関するすべてのランダム化比較試験のメタアナリシスを行った。全部で133試験、75000人の患者について解析し、そのうち31試験、11000人が多剤併用化学療法に関するランダム化比較試験であった。CMF療法(11試験、 4000人)を代表とする多剤併用化学療法施行群は、無治療群と比較して統計学的に有意な再発・死亡リスクの減少を認め、そのリスク減少率は腋窩リンパ節転移の有無によらなかった。

UFT群

Morimoto T, Ogawa M, Orita K. Postoperative adjuvant randomized trial comparing chemoendocrine therapy, chemotherapy and immunotherapy for patients with Stage II breast cancer: 5-year results from the Nishinihon Cooperative Study Group of Adjuvant Chemo-endocrine therapy for Breast Cancer (ACETBC) of Japan. Eur J Cancer 32A; 235, 1996.

(要旨)1985年から1988年にかけてACETBC西日本グループはUICC臨床病期(ステージ) II期の乳癌患者に対してランダム化比較試験を行った。エストロゲン受容体陽性患者に対しては、tamoxifen単独投与・tamoxifen+ ftorafur(FT)併用・tamoxifen+PSK併用の3群を、エストロゲン受容体陰性患者に対してはFT単独投与・PSK単独投与の2群を比較し(各薬剤の投与期間は2年間)、FT投与群において5年無病生存率の改善を認めた。

Tashiro H, Nomura Y, Ohsaki A. A double blind comparative study of tegafur(FT) and UFT (a combination of tegafur and uracil). Jpn J Clin Oncol 24; 212, 1994.

(要旨)経口抗がん剤であるFT(800mg/日)とUFT(FT400mg+ウラシル896mg/日)の進行乳癌に対する効果をランダム化比較試験にて検討した。1986年から1989年にかけて60人の患者が登録され、統計学的有意差は認められなかったものの、UFT群の方が奏効率と無増悪期間において良好な傾向であった。

NSAS-BC01の成果

NSAS-BC 01試験には1996年10月から1998年10月までに322人の腋窩リンパ節転移陰性ハイリスク乳癌患者が登録されました。主評価項目である無病生存率についての最初の解析は平成15年に行われる予定です。副次評価項目として生活の質(Quality of Life(QOL))が検討され、解析した結果がすでに米国臨床腫瘍学会で発表されています。

Shimozuma K, Katsumata N, OhashiY, Makino H, Takashima S, Sonoo H, Watanabe T. Impact of surgical adjuvant chemotherapy on Quality of Life (QOL) of patients with breast cancer(BC)---a phase III randomized trial comparing UFT(Uracil/Tegafur) with CMF in high-risk node negative patients. Proc ASCO 1999.

(要旨) 腋窩リンパ節転移陰性ハイリスク乳癌患者に対する術後薬物療法としてCMF6サイクルとUFT2年間内服を比較するNSAS-BC01試験においては、副次評価項目として生活の質(Quality of Life(QOL))を評価する目的で、補助薬物療法開始前、1、4、12、27ヶ月後にQOL質問票を用いた調査を行う。QOL質問票はEORTC QLQ C-30 、QOL Questionaire for Cancer Patients Treated with Anticancer Drugs(QOL-ACD)の2種を日本人向きに改訂したものを用いた。治療開始後4ヶ月での検討で、EORTC QLQ C-30では疲労感、悪心・嘔吐、認知力において、またQOL-ACDでは身体的、心理的ドメインにおいて、CMF群がUFT群に統計学的有意に劣っていた。治療期における身体的・精神的QOLはCMF療法に比べUFT療法の方が優れている。

Shimozuma K, Katsumata N, Ohashi Y, Makino H, Takashima S, Sonoo H, Watanabe T. Impact of surgical adjuvant chemotherapy on Quality of Life (QOL) of patients with breast cancer(BC) for the first year of treatment---a phase III randomized trial comparing UFT(Uracil/Tegafur) with CMF in high-risk node negative patients (NSAS-BC 01). Proc ASCO 2000; 2544A [abstract]

(要旨)治療開始後1年でのQOLの検討。UFT群は、悪心・嘔吐、食欲不振、認知力をのぞくスケールでQOLは改善した。CMF群は治療期(4ヶ月)にはQOL全般、疲労感、悪心・嘔吐、認知力の各スケール(以上EORTC QLQ C-30)、および身体的・心理的健康(QOL-ACD)においてQOLが低下したが、治療開始1年後には回復した。

Shimozuma K, Katsumata N, Ohashi Y, Makino H, Takashima S, Sonoo H, Watanabe T for the National Surgical Adjuvant Study Group of Breast Cancer(NSAS-BC Group). Impact of surgical adjuvant chemotherapy on Quality of Life (QOL) of patients with breast cancer(BC) for the second year of treatment---a phase III randomized trial comparing UFT(Uracil/Tegafur) with CMF in high-risk node negative patients (NSAS-BC 01). Proc ASCO 2001;1602 [abstract]

(要旨)治療開始後2年でのQOLの検討。QOL全般、疲労感の各スケール(以上EORTC QLQ C-30)、および機能的健康(QOL-ACD)においてUFT群の方がCMF群より優れていた。これに対し、財政的困難(EORTC QLQ C-30)についてはCMF群の方がUFT群に比べ良好であった。本研究によりCMF療法とUFT療法の術後薬物療法におけるQOLに関する差異が明らかになった。

N-SAS BC02

ACPグループについて

Henderson IC, Berry D, Demetri G et al. Improved disease-free survival and overall survival from the addition of sequential paclitaxel but not from the escalation of doxorubicin dose level in the adjuvant chemotherapy of patients with node-positive primary breast cancer. Proc ASCO 1998; 390A [Abstract]

(要旨)アドリアマイシン(A)とシクロフォスファミド(C)療法より有効な術後薬物療法の報告はない。Cancer and Leukemia Group B(CALGB)ではAC療法におけるAの増量効果およびパクリタキセル(P)の追加効果をみるためにランダム化比較試験を行った(2x2 要因試験)。Cの投与量は600 mg/㎡に固定し、Aの投与量を60, 75, 90mg/㎡の3段階にランダムに割付け、AC療法として4サイクル施行。さらにその後 Pの投与群と非投与群にランダム化割付けを行った。エストロゲン受容体陽性の場合にはタモキシフェンを投与した。本試験には3170人の患者が登録され、各治療群の患者背景に偏りはなかった。学会では観察期間の中央値22ヶ月の時点(再発数624例)での解析が発表された。その結果Aの投与量による無再発生存率、生存率に差はなかったが、Pの追加のより年間再発オッズおよび年間死亡オッズがそれぞれ22%、26%が統計学的有意差をもって低下した。ホルモン受容体に着目した部分集団解析ではエストロゲン、プロゲステロン受容体ともに陽性の場合にはPの追加効果は認められなかった。

Thomas E, Buzdar A, Theriault R et al. Role of paclitaxel in adjuvant therapy of operable breast cancer: preliminary results of prospective randomized clinical trial. Proc ASCO 2000; 285A [Abstract]

(要旨)1994年5月より1998年6月まで手術可能な乳癌524例を対象に、術後薬物療法として、パクリタキセル(P)4サイクルの後にシクロフォスファミド(C)/アドリアマイシン(A)/5FU(F)(CAF療法)4サイクルを追加する群と、CAF療法8サイクル群とのランダム化比較試験を行った。エストロゲン受容体陽性の場合にはタモキシフェンを投与した。観察期間の中央値36ヶ月の時点(再発数66例)で、統計学的有意差は認められていないものの4年無病生存率85.2%対81.5%と推定され、paclitaxelを組み込むことによる年間再発オッズ減少率は26%であった。

試験治療群設定の根拠

Osborne CK, Ravdin PM. Adjuvant systemic therapy of primary breast cancer, in Harris JR, Lippman ME, Morrow M et al (eds.): Disease of the breast (2nd ed). Philadelphia, Lippincott Williams and Wilkins, 2000, pp 599-632.

(要旨)(術後薬物療法における新規抗癌剤の位置づけについて)近年、パクリタキセル、ドセタキセルなどのタキサン系抗癌剤やビノレルビン、ハーセプチンなどいくつかの新規抗癌剤が進行再発乳癌治療において従来の抗癌剤と比較して有効であることが証明されてきた。術後薬物療法におけるこれらの薬剤の有用性に関しては現在さまざまな検討が行われているところである。中でもタキサン系抗癌剤は、またアンスラサイクリン系薬剤(アドリアマイシン、エピルビシンなど)と交差耐性をもたず、転移性乳癌において高い効果をあげていることから注目されている。CALGBのランダム化比較試験※では、約2年間の観察期間で再発オッズが22%、死亡オッズが26%減少したと報告されている。もしこの差がより長期のフォローアップでも持続すれば、臨床的意義は大きい。しかしこの効果増強が交差耐性のないパクリタキセルを組み込んだことに由来するのか、単に治療期間が12週間から24週間に延長したためなのかはわかっていない。その他の新規薬剤については術後薬物療法における有効性と安全性が確立しておらず、臨床試験以外の実地臨床で使用されるべきではない。

Ringel I, Horwitz SB: Studies with RP56976(taxotere): a semisynthetic analogue of taxol. J Natl Cancer Inst 288; 83: 288.

(要旨)RP56976(ドセタキセル、TaxotereR)はパクリタキセルの半合成アナログ(類似体)であり、パクリタキセルと同様、tublinの微小管への重合促進と微小管の解離抑制により微小管の機能を阻害し殺細胞効果を発揮する。ドセタキセルは微小管重合促進作用がパクリタキセルに比べやや高く、培養細胞系の実験においてパクリタキセルに比べ2.5倍の細胞増殖抑制効果を示し、またパクリタキセル耐性の細胞に対しても強力な細胞増殖抑制効果を示した。

Varelo V, Jones S, Con Hoff D, et al. A phase II study of docetaxel in patients with paclitaxel-resistant metastatic breast caner. J Clin Oncol 16: 3362; 1998.

(要旨)パクリタキセル耐性の転移性乳癌におけるドセタキセル(100mg/㎡, 3週間隔投与)の有効性と安全性の検討。この臨床試験には転移性乳癌に対する前治療歴2レジメン以内で、パクリタキセル投与中またはパクリタキセルによる最大効果が得られてから3サイクル以内に病状が進行した46人が登録された。評価可能患者44名中8人に腫瘍縮小効果を認めた(奏効率18.1%)。パクリタキセルとドセタキセルが完全交差耐性でないことを示唆する前臨床のデータが裏付けられた。

N-SAS BC03

コントロール治療群

Early Breast Cancer Trialists' Collaborative group. Tamoxifen for early breast caner: and overview or the randomized trials. Lancet 351; 1451, 1998.

(要旨)Early Breast Cancer Trialists' Collaborative Groupでは1990年以前に行われた術後薬物療法としてタモキシフェンの有効性をタモキシフェン非投与群と比較したすべてのランダム化比較試験についてメタアナリシスを行った(55試験37000患者)。エストロゲン受容体の低い患者は8000名おり、これらの患者に対するタモキシフェン投与による再発・死亡抑制効果はごくわずかであった。残りのホルモン受容体陽性または不明の患者を対象とした検討では、タモキシフェンの投与期間1年、2年、5年の比較で、10年再発抑制率はそれぞれ21%, 29%, 47%、10年死亡抑制率はそれぞれ12%, 17%, 26%であり、タモキシフェン5年間内服により最大の効果が得られた。この効果は腋窩リンパ節転移の有無、年齢、閉経状況、併用補助化学療法の有無によらなかった。またタモキシフェン投与群にghおいて対側乳癌の発生率が減少した。しかし一方で、長期投与により子宮内膜癌の発生率が2-4倍に増加した。

アナストロゾール順次投与群

Bonneterre J, Buzdar A, Nabholtz JM, et al. Anastrozole is superior to tamoxifen as first-line therapy in hormone receptor positive advanced breast carcinoma. Cancer 92; 2247: 2001.

(要旨)閉経後ホルモン受容体陽性転移性乳癌における第1次内分泌療法として、従来の標準療法のタモキシフェンと新規アロマターゼ阻害剤であるアナストロゾールの有効性を検討したランダム化比較試験が北米および欧州を中心とした2つの臨床試験グループによって、ほぼ同じ試験デザインで行われた。この2つの臨床試験を一緒に解析したところ(全患者数1021人)、無増悪生存期間(time to progression)においてアナストロゾールはタモキシフェンと少なくとも同等あるいは優れていた。

Mouridsen H, Gershanovich M, Sun Y, et al. Superior efficacy of letrozole versus tamoxifen as first-line therapy for postmenopausal women with advanced breast cancer: results of a phase III study of the International Letrozole Breast Cancer Group. J Clin Oncol 19; 2596, 2001.

(要旨)閉経後ホルモン受容体陽性または不明の転移性乳癌患者における第1次内分泌療法として、従来の標準治療のタモキシフェンと新規アロマターゼ阻害剤であるレトロゾールの有効性をランダム化比較試験にて検討した。この試験には907人の患者が登録され、無増悪生存期間(time to progression)、奏効率、効果持続期間においてレトロゾール群の方が有意に優れていた。

Anastrozole alone or in combination with tamoxifen versus tamoxifen alone for adjuvant treatment of postmenopausal women with early breast cancer: first results of the ATAC randomized trial. Lancet 359; 2131, 2002.

(要旨)閉経後ホルモン受容体陽性乳癌の術後薬物療法としてタモキシフェンの投与の有効性は確立している。しかしタモキシフェンの長期投与による副作用として、子宮内膜癌や血栓症などの頻度が増加することが報告されている。本試験ではタモキシフェン単独投与5年間と比較して、新規アロマターゼ阻害剤であるアナストロゾールの単独投与、タモキシフェンとアナストロゾールの併用投与(各5年間)の術後薬物療法としての有効性と忍容性をランダム化比較試験にて検討した。9366人の患者が登録され、観察期間の中央値33ヶ月での成績である。3年無病生存率は、アナストロゾール単独投与群89.4%, タモキシフェン単独投与群に87.4%であり、アナストロゾール単独投与群が統計学的有意に優れていた。併用療法群の3年無病生存率は87.2%であり、タモキシフェン群と差は認められなかった。忍容性については、子宮体癌、不正性器出血、血栓症、ほてりの頻度がアナストロゾール群において有意な減少したが、筋骨格障害、骨折の頻度がアナストロゾール群で増加していた。アナストロゾールがタモキシフェンよりも乳癌再発リスクを減少させる可能性が示唆されたが、各治療群のリスクとベネフィットを最終的に評価するにはさらに長期間の観察を要する。

Boccardo F, Rubagotti A, Amoroso D et al. Sequential tamoxifen and aminogulutethimide in the adjuvant treatment of postmenopausal breast cancer patients: results of an Italian cooporative study. J Clin Oncol 19; 4209, 2001.

(要旨)術後薬物療法としてタモキシフェンを3年間投与した閉経後乳癌患者380人について、タモキシフェンを更に2年間投与継続する群とアミノグルテチマイド(第1世代アロマターゼ阻害剤)に変更して2年間投与する群のランダム化比較試験を行った。観察期間の中央値61ヶ月(再発数114件)で、無病生存率に統計学的有意差は認めないものの、前生存率においてアミノグルテチマイド群が良好な傾向にあった。アミノグルテチマイド群では薬剤に関連した副作用のため投与を中止した患者がタモキシフェン群に比べ有意に多かった。


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