
財団法人パブリックヘルスリサーチセンター(略称PHRF)は、厚生労働省管轄の特定公益増進法人です。この財団による臨床研究支援事業は、わが国では十分ではない治療・予防のためのエビデンス構築を目指し、研究者主導の臨床研究支援と基盤整備のために2000年から開始されました。国際ハーモナイゼーションの過程を通じわか国の治験の基盤整備は進みましたが、真のエビデンスを生み出す大規模臨床試験、次代の治療・予防法開発の先駆けとなる先端医療に関しては、とくに研究者主導で行われる臨床研究の基盤はまだまだ未整備です。また大事といわれながら、疫学研究、ヘルスアウトカム研究(とくにQOL・経済評価)の基盤はさらに未整備です。
臨床研究支援事業は乳がんにはじまり、骨粗粗症、生活習慣病とその支援分野を拡大し、数多くの臨床試験とアウトカム研究を支援し、ようやくその成果が現れつつあります。国民の福祉向上のための本事業に対し、企業・国民の皆様にはご協賛を今後もお願いし、また研究者の皆様には積極的なご活用をお勧め申し上げる次第です。
東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻
財団法人パブリックヘルスリサーチセンター 常務理事
大橋 靖雄
臨床研究支援事業の活動資金は、主に、企業・国民の皆様からの寄付と企業からの委受託契約によっております。いずれの場合でも、行われる研究(臨床試験、ヘルスアウトカム研究、疫学研究)は、研究者主導研究として企画から実施・報告まで透明性を確保して行われます。研究成果は論文の形で公表され、さらにホームページ等で公開されることになりますが、委受託契約の場合には契約に基づいた成果の共有もなされます。データマネージメントは協力関係にあるNPOにより、環境に応じたシステムを活用して実行され、必要に応じて監査も行われます。大規模臨床試験やヘルスアウトカム研究を製薬会社・医療機器会社主体で行うことは、制度的にも資源(人材、資金)の面でも困難です。また研究の透明性と継続性の確保という点からも、本事業への協賛をご検討いただければ幸いです。
研究者主導により臨床試験やヘルスアウトカム研究を実施しようとする意欲のある研究者の障害は、資金と研究支援のシステムの欠如です。臨床研究支援事業では、資金については企業・国民の皆様からの協賛をいただき、財団の事務経理機能を用いて研究費の分配管理をいたします。研究実施にあたっては、データマネージメント・統計・監査・メディカルライティングなどの諸分野で知識と経験を有する関連スタッフにより、研究の企画から実施・報告までの支援がなされます。エビデンス作りを通じた医療・予防の質向上のため、本事業のご活用をお勧めすると同時に、新たなご提案を歓迎申し上げます。