乳がんの手術後には、再発を予防するために術後薬物療法が有効とされ、標準的な治療法が確立されています。
術後薬物療法には、「内分泌療法(ホルモン療法)」と「化学療法」があります。医師は、リンパ節の転移の有無やその程度を考慮して、どのような治療を行うかを決定します。



●リンパ節の転移の有無および程度に応じた術後薬物療法療法の選択基準
*(第9回ザンクト・ガレン国際会議で勧告された補助療法)
リスク分類 内分泌療法への反応性に基づく治療
内分泌反応性 内分泌反応性不確実
(uncertain)
内分泌非反応性
閉経前 閉経後 閉経前 閉経後 閉経前/閉経後
Low risk TAM or 治療なし
or LH-RHa
TAM or AI
or 治療なし
TAM or 治療なし
or LH-RHa
TAM or AI
or 治療なし
該当なし
Intermediate risk TAM(±OFS)(±化療)
or 化療→TAM(±OFS)
  
or TAM単独
or OFS
TAM
or AI
  
or 化療→TAM
or 化療→AI
  
TAM投与後のAIへのスイッチ:
TAM2〜3年後
→エキセメスタン
→アナストロゾール
TAM5年後
→letrozole
化療→TAM(±OFS)
or TAM±OFS(±化療)
or 化療→(AI+OFS)
or OFS
化療→AI
or 化療→TAM
  
TAM投与後のAIへのスイッチ:
TAM2〜3年後
→エキセメスタン
→アナストロゾール
TAM5年後
→letrozole
化学療法

レジメン:
AC , CMF
AC or A →CMF
FEC(day 1,21日ごと)

タキサンを含むレジメン:
AC or A →パクリタキセル
FEC→ドタキセル
TAC
High risk 化療→TAM
or 化療→TAM+OFS

or 化療→(AI+OFS)
化療→TAM
or 化療→AI
  
TAM投与後のAIへのスイッチ:
TAM2〜3年後
→エキセメスタン
→アナストロゾール
TAM5年後
→letrozole
化療→TAM
or 化療→TAM+OFS

or 化療→(AI+OFS)
化療→AI
or 化療→TAM

TAM投与後のAIへのスイッチ:
TAM2〜3年後
→エキセメスタン
→アナストロゾール
TAM5年後
→letrozole
化学療法

レジメン:
AC or A→CMF
CEF or CAF(day 1+8,24日ごと)

タキサンを含むレジメン:
AC or A →パクリタキセル
FEC→ドタキセル
TAC(Dose dense regimen)

*リスク分類の基準
リスクカテゴリー
Low risk 腋窩リンパ節転移陰性で、以下の項目を全て満たすもの:
 ●病理学的腫瘍径(pT) ≦2cm
 ●グレード1
 ●腫瘍周囲の脈管浸潤がない
 ●HER2/neuの過剰発現。遺伝子増幅がない
 ●年齢≧35歳
Intermediate risk 腋窩リンパ節転移陰性で、以下の項目が一つでも該当するもの:
 ●病理学的腫瘍径(pT)>2cm
 ●グレード2〜3
 ●腫瘍周囲の脈管浸潤を伴う
 ●HER2/neuの過剰発現・遺伝子増幅を伴う
 ●年齢<35歳

腋窩リンパ節転移1〜3個陽性で、
 ●HER2/neuの過剰発現・遺伝子増幅が無い
High risk 腋窩リンパ節転移1〜3個陽性で、
 ●HER2/neuの過剰発現・遺伝子増幅を伴う

腋窩リンパ節転移4個以上陽性

*内分泌反応性の新しいカテゴリーと定義
内分泌反応性 ホルモンレセプターが発現しているもの。
[ER(+)/PgR(+)、ER(-)/PgR(+)]
内分泌反応性
不確実
(uncertain)
ホルモンレセプターの発現を認めるが発現量が少ない、あるいは内分泌療法への反応性が必ずしも十分とは考えられないもの。
[例;ER(+)/PgR(-)、あるいはER(+)、PgR(+)であっても染色細胞の割合が少ない、または染色強度が強い など]
内分泌非反応性 ホルモンレセプターの発現をまったく認めないもの。
ER:エストロゲンレセプター PgR:プロゲステロンレセプター


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