退院時には、身の回りのことができるまで回復していることが多いのですが、術後1カ月以内はあまり無理をしないことが大切です。また、繰り返しの腕の運動や全身の激しい運動が可能となるまでには少し日数が要ります。焦らないようにしましょう。

1.日常生活について
特別な制限はありません。職場への復帰の時期については、手術の方法や術後の治療方針などによって各人さまざまですが、自分でできることはなるべく自分でするようにして、無理のない範囲で、少しずつ手術前の調子を取り戻すようにしていってください。体力的に自信がもて、治療に差し支えないようなら、職場への復帰も、旅行も問題ありません。心配なことがあれば、主治医やナースに相談してみるようにしましょう。


2.性生活・妊娠・ホルモン剤服用について
性生活を行うことは全くかまいません。ただし、術後の補助化学療法や内分泌療法(ホルモン療法)を受けている間は、妊娠可能年齢の方は避妊が必要です。主治医とよく相談してみてください。
経口避妊薬や更年期障害の症状を改善するためのホルモン補充療法などの、特殊なホルモン剤を服用する場合には、担当医に必ず相談しましょう。

3.精神・心理面について
退院後、心細さが増したり、病気に対する不安や、乳房を失ったことで精神的に落ち込むようなことを経験される方は決して少なくありません。そんなときは、まず主治医やナースに相談したり、家族や友人など信頼できる人に気持ちを打ち明けたり、 患者会などに参加して同じ病気を体験した人たちと交流を図るなど、あなたの力になってくれる人たちの協力を得ることも大切です。
4.術後の患者さんが経験するさまざまな症状と頻度
乳がんの手術とその後の補助療法に関連して、さまざまな症状を患者さんが訴えることがわかっています。時間の経過が解決してくれるものが多いですが、中には術後1年経っても多くの患者さんが訴えておられる症状もあります。これら症状の種類と頻度をよく理解して、無用な心配をすることを避けたいものです。基本的に、下記のどの症状においても、再発とは関係ありません。

(表)
(1)術後1カ月に7割以上の患者さんが訴えた症状
■上肢・腋窩の窮屈感
■胸壁・腋窩・上肢のしびれ感
■胸壁や乳房の窮屈感と圧痛
■化学療法後の吐き気・嘔吐
■エネルギー喪失感
■娯楽・社会活動の低下
■身体的な活動の困難さ
■睡眠障害
(2)術後1年目も患者さんの訴えが多かった症状
■上肢・腋窩の窮屈感
■胸壁・腋窩のしびれ感
■エネルギー喪失感や疲労
■睡眠障害
(3)術後1カ月目には3割以下の訴えだったのに、1年後に訴えが多くなった症状
■ほてり感
■体重増加
■皮膚の火傷、発赤(乳房温存術後の方のみ)

(参考文献)
Shimozuma K, et al: Quality of life in the first year after breast
cancer surgery:Rehabilitation needs and patterns of recovery.
Breast Cancer Res Treat 56:45-57, 1999

 


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