表2-8 わが国で使用できる乳癌患者用QOL尺度(調査票)のまとめ
5.SF-36 (The 36-item short form of the Medical Outcomes Study questionnaire)

作成者 オリジナル:Ware JE. (The Health Instistute, New England Medical Center)
日本語版:福原俊一(京都大学大学院)
目的 患者の主観的な健康度を測定する.
内容(項目数) 8つの下位尺度:1. PF(身体機能)(10)、2. RP(身体機能不全による役割の制限)(4)、3. BP(体の痛み)(2)、4. GH(全体的な健康感)(5)、5. VT(活力)(4)、6. SF(社会生活機能)(2)、7. RE(精神状態の変化による役割の制限)(3)、8. MH(心の状態)(5)に加え、1年前の健康状態との比較を問う1項目の計36項目4
利用にあたって
の連絡先
福原俊一(京都大学大学院)

項目
質問項目の由来は? 項目の多くは、これまでに開発、利用されてきたさまざまな健康測定尺度を通覧・検討したなかから採用した1
信頼性(日本語版)
質問項目の一貫性 Internal Consistency 各尺度のα係数2
1. PF:0.84
2. RP:0.83
3. BP:0.87
4. GH:0.86
5. VT:0.78
6. SF:0.71
7. RE: 0.78
8. MH: 0.83
繰り返しの再現性 Test-Retest Reliability 2週間間隔で2回測定の相関係数2
1. PF:0.93
2. RP:0.81
3. BP:0.85
4. GH:0.86
5. VT:0.86
6. SF:0.78
7. RE: 0.82
8. MH: 0.87
信頼性を検証した調査対象者の特徴 I. 一貫性:一企業の従業員とその家族の計588名2
II. Iのうち84名2
妥当性(日本語版)
基準に照らし合わせての妥当性 Criterion Validity 臨床的な妥当性 Clinical Validityとして、心身ともに健康、慢性的身体疾患のみあり、精神障害のみあり、慢性的身体疾患・精神障害両者あり、の4つのグループでのスコアを比較した3
概念妥当性 Construct Validity (1) 各質問項目と;
1. その質問が属する下位尺度全体との相関 (convergent validity)2
2. その質問が属さない他の下位尺度との相関 (discriminant validity) 2
(2) 因子分析22
妥当性を検証した調査対象者の特徴 Face validity:(A) 北陸の一地区で無作為抽出した239名2
Construct validity:(B) 一企業の従業員とその家族の計588名2、(C) 全国300地区から無作為抽出した4500名のうち、回答のあった3395名3
Clinical validity:(C)のうち1,899名3
結果の解釈(日本語版、他国語版)
横断調査
  • 国民標準値(3395名)を参照する
  • 臨床的妥当性データを参照する3,5,6
縦断調査(経時的変化)
  • 臨床的妥当性データ(グループのスコア差あるいは effect size)を参照する3,5,6
使い勝手
回答者の負担にならない程度の時間で済むか? はい
調査票を利用するのに訓練が必要か? いいえ
回答を点数化するのは容易であるか? 手計算では煩雑.コンピュータを利用することを推奨する(点数化の方法は手引書1を参照).1

  1. Ware JE, Jr. SF-36 Health Survey: Manual & Interpretation Guide. The Health Institute, Boston, 1993.
  2. Fukuhara S, Bito S, Green J, et al. Translation, adaptation, and validation of the SF-36 health survey for use in Japan. J Clin Epidemiol 1998; 51(11): 1037-1044.
  3. Fukuhara S, Ware JE, Koshinski M, et al. Psychometric and clinical tests of validity of the Japanese SF-36 health survey. J Clin Epidemiol 1998; 51(11): 1045-1053.
  4. 福原俊一. MOS Short-Form 36 Item Health Survey:新しい患者立脚型健康指標. 厚生の指標 1999; 46(4): 40-45.
  5. Jenkinson C, Coulter A, Wright L. Short Form 36 (SF36) health survey questionnaire: normative data for adults of working age. BMJ 1993; 306: 1437-1440.
  6. Perneger TV, Leplege A, Etter JF, et al. Validation of a French-language version of the MOS 36-item short form health survey (SF-36) in young healthy adults. J Clin Epidemiol 1995; 48: 1051-1060.



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